9月3日の主な経済記事

危機感の薄い“ボンヤリ投資家”が急増中!9月は再び、欧州発の急落に備えよ!(ZAI ON LINE)
http://diamond.jp/articles/-/24204

【今回のまとめ】
1.このところの米国市場は小動き
2.相場が静かなので投資家は慢心している
3.欧州危機は一見すると鎮静化したように見える
4.市場は既にECBによるスペイン国債買い支えを織り込んでしまっている
5.予定表には難関がずらりと並んでいる

 スペインでは、10月末に200億ユーロにのぼる国債の償還が控えています。すでにマリオ・ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁は、スペイン、イタリア国債を購入することをほのめかしているので、9月6日の政策金利会合と記者会見でその具体的な方法に関する言及がなければ、市場が落胆することも考えられます。
 9月12日(水)も2つの面で重要な日です。1つはドイツの憲法裁判所が欧州安定メカニズム(ESM)が合憲であるかどうかの判断を示す日だからです。
 9月12日のもう1つのイベントは、オランダの第二院(下院)選挙です。最近の投票意向調査では、EUによる南欧諸国救済に対して批判的な立場を取っている社会党が大幅に躍進すると見られています。

8月30日の主な経済記事

7月米消費支出、5カ月ぶりの大幅な伸び(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE87T00T20120830

米商務省が30日発表した7月の個人所得・支出統計によると、個人消費支出は前月比0.4%増加しエコノミスト予想と一致した。5カ月ぶりの大幅な伸びとなり、今四半期の景気成長加速に期待が持てる内容となった。インフレ圧力が収まり、実質消費の追い風となった。PCE価格指数は前月比横ばい。6月は0.1%上昇していた。前年比では1.3%上昇と、2009年10月以来の小幅な伸びとなった。

世界経済見通し、最大のリスクはユーロ圏=ムーディーズ(WSJ)
http://jp.wsj.com/Economy/Global-Economy/node_503864?mod=WSJFeatures

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは30日に発表したマクロ経済リスクに関する報告書で、世界経済の回復は、ユーロ圏債務危機が重しとなって失速の危機にひんしていると警告した。
また、現在では新興国経済の成長が従来予想されたほどではないと見込まれているため、今年の世界経済成長率は2011年や10年に比べ大幅に減速する、との見通しも示した。

世界経済の成長に対する主なリスクの1つは、ユーロ圏のリセッション(景気後退)が予想以上に深刻化することだと指摘した。この景気後退の深刻化については、信用収縮の悪化などによって拍車がかかると予測している。
米国で2013年に突然かつ急激な財政緊縮が起きる、いわゆる「財政の崖」も世界経済の成長へのリスクを高めているとした。
このほかリスク要因として、インドや中国、ブラジルなど主要新興国が急減速して「ハードランディング」する可能性や、地政学的リスクからオイルショックが発生する恐れを挙げた。

8月25日の主な経済記事

ブルベア指数は米国株式市場の調整が近いことを示唆(Market Hack)
http://markethack.net/archives/51837120.html

強気筋は43.6%から47.3%に増えました。弱気筋は26.6%から24.7%に減りました。強気から弱気を引いた差は17から22.6に拡大しました。
これらの数字は投資家の心に慢心が忍び込んでいることを示唆しています。すくなくともこの水準から新規の買い建てをすることは見合わせること。

欧州の購買担当者指数は久しぶりに製造業のトレンドの好転の兆しを見せている(Market Hack)
http://markethack.net/archives/51836938.html

欧州の購買担当者指数速報値が発表されました。製造業はOK、サービス業はダメでした。
ドイツの8月の製造業購買担当者指数速報値は45.1で、コンセンサス予想の43.4を上回りました。今回は実に7カ月ぶりのアップティックとなります。
ドイツの8月のサービス業購買担当者指数速報値は48.3でした。コンセンサスは50.1なのでそれを下回ったことになります。因みに7月は50.3でした。
欧州の製造業購買担当者指数速報値は45.3でした。これはコンセンサスの44.2を上回っています。因みに7月は44.0でした。
欧州のサービス業購買担当者指数速報値は47.5でした。コンセンサスは47.7です。7月は47.9でした。

ハードランディングの色濃い中国経済〜8月の香港上海銀行製造業購買担当者指数速報値から〜(Market Hack)
http://markethack.net/archives/51836935.html

香港上海銀行の発表する中国の8月の製造業購買担当者指数速報値は47.8と去年の11月以来の低水準でした。これで10カ月連続して中国の景況感は緊縮(=50以下)を経験したことになります。香港上海銀行が今回発表した製造業購買担当者指数の内訳を見ると新規輸出受注が7月の46.7から8月は44.7へと下落しました。中国経済はハードランディングの色彩を強めており、中国人民銀行はもう一段の金融緩和をすぐに打ち出す必要があると思います。

〔ロイター調査〕9月FOMCでのQE3実施確率は45%、ないとの見方やや多い(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/treasuryNews/idJPJT818876820120824


今が株価のピークか。

8月22日の主な経済記事

韓国の時限爆弾、家計債務危険水域に到達(金融そして時々山)
http://kitanotabibito.blog.ocn.ne.jp/kinyuu/2012/08/post_603c.html

FTによると韓国の家計債務は可処分所得の*146%に拡大している。これはサブプライム危機が発生した時の米国の債務比率138%よりも高い。*FTは別々の記事で146%、164%という二つの数字をあげている。どちらかがミスタイプだと思うが、ここでは低い方の数字を採用した。
リーマン・ショック後先進国の家計は債務削減に努めているが、韓国の家計では借金が膨らみ続けている。借金の返済圧力により、消費は停滞している。韓国銀行の発表によると、今年前半の消費の伸び率は1.4%に過ぎなかった。

 金融緩和策は更に家計の債務負担を増やすリスクを伴う。ある銀行のアナリストは「持続不能な水準に近づきつつある」と述べている。サムソン電子などの繁栄の陰で、韓国の家計は確実に疲弊している。そして貧富の格差は拡大している。FTによると、上位10%の人の所得は下位10%の人の所得の4.73倍に拡大している(1995年は3.64倍だった)。格差が少ないと言われているデンマークスウェーデン等で格差は3倍程度というから、韓国はかなりの格差社会だ。

FRB、「かなり早期に」追加緩和行う公算=議事録(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE87L01Q20120822

議事録では「今後明らかになる情報が大幅かつ持続可能な景気回復ペースの加速を示さないかぎり、追加金融緩和はかなり早期に正当化される公算が大きい、と多くのメンバーは判断した」とした。

連邦公開市場委員会FOMC)議事録は一段と追加緩和へ傾斜していることを示唆しているが……(Market Hack)
http://markethack.net/archives/51836829.html

米国連邦準備制度理事会FRB)が連邦公開市場委員会FOMC)議事録を公開しました。その中で追加緩和を必要と考えるメンバーがこれまでの「数名程度(a few members)」から「たくさん(Many members)」という表現に変化しました。
ごく目先に限って言えば緩和期待で相場が下支えされると思うので、強気のスタンスを維持するべきだと思います。

その反面、以下の点にじゅうぶん気をつける必要があるでしょう:

1.足下の経済指標は若干改善しており、以前ほど追加緩和の必要性が感じられなくなった。
2.株式市場は既に高値にあり、バーナンキ議長は少なくとも株式市場テコ入れという見地からは追加緩和の必要性を感じないだろうということ。
3.相場が高いということは、既に市場参加者が緩和を先取りして買っていることに他ならないわけで、逆に「理想買い、現実売り」が出る可能性があること。

7月の米中古住宅販売は前月比+2.3%=全米リアルター協会(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/economicIndicatorsAndComments/idJPJT818503020120822

独首相にジレンマ−崩壊のリスクはユーロ圏か政権か(WSJ)
http://jp.wsj.com/Economy/Global-Economy/node_498574?mod=WSJWhatsNews

ギリシャ政府は、同国経済を破綻寸前に追いやっている不況に苦しんでおり、破綻を回避するために巨額の追加国際金融支援が必要となりそうだ。

 支援を受けられない場合、ギリシャはユーロ圏からの離脱を迫られる恐れがあり、そうなれば、スペインやイタリアなど他の脆弱(ぜいじゃく)な南欧の加盟国に対する金融市場のわずかばかりの信認も損なわれることになろう。

 対ギリシャ金融支援の規模を今春に合意した1730億ユーロ(約15兆5700億円)から拡大することに対しては、ドイツ連邦議会の連立与党内に強い反対論がある。とりわけ連立与党を組むキリスト教社会同盟(CSU)、自由民主党(FDP)の反発が激しい。同首相は、議会で過半数議席を失うか、それともしっかりしたギリシャ財政赤字補てん策を失うかのどちらかの状況に陥る恐れがある。

もう欧米の株価は上がらないと思うがどうなのだろう?

8月20日 EUに関する記事2本

9月、ユーロ危機は天王山へ-カギを握る3つのイシュー-(日経ビジネス
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20120816/235590/
ヨーロッパ各国の政治家や市場関係者の間では、「今年9月がユーロ危機の天王山となる」という見方が強まっている。

 その理由は、3つある。
1)EU国際通貨基金IMF)などの監視団「トロイカ」が、ギリシャの経済改革や緊縮策の進捗状況について報告書を発表する。EUIMFはこの報告書に基づき、ギリシャに3兆円近い金を振り込むか否かを決定する。
2)スペイン政府がEUに対し、救済を正式に申請する可能性が高まっている。
3)ドイツの連邦憲法裁判所が、同国がESM(欧州金融安定メカニズム)に参加することが合憲かどうかについて判決を下す。

独連銀、ECB国債買い入れにあらためて反対(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTJE87J01620120820

ドイツ連銀は20日、欧州中央銀行(ECB)がスペインやイタリアの借り入れコスト抑制に向けて、債券市場に介入する計画をめぐって、あらためて批判的な姿勢を示した。

ドラギECB総裁は、国債買い入れを再開する方針を示しているが、独連銀は強く反発している。独連銀は、ECBの国債買い入れについて、ECBによる財政救済を禁じた欧州法に抵触すると主張、借り入れコスト引き下げは中銀ではなく各国の責任、との認識を変えていない。

20日の欧州株式市場サマリー(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/eurMktRpt/idJPJT818257420120820

 <欧州株式市場> 反落。欧州中央銀行(ECB)や独連銀などから、ユーロ圏重債務
国の国債買い入れの実施が近づいているとの期待を打ち消す発言が出されるなか、銀行・
鉱山株を中心に売りが優勢となった。
 FTSEユーロファースト300種指数.FTEU3は5.30ポイント(0.48%)安
の1104.86。
 DJユーロSTOXX50種指数.STOXX50Eは5.21ポイント(0.21%)安の
2466.32。
 ECBの国債買い入れをめぐっては、独シュピーゲル誌が週末に、ECBは独連邦債に
対するプレミアムが一定水準を越えた場合に買い入れを実施する方針と報じた。 ECBは
これを受け、未決定の計画について報道することは誤解を招くとして、同報道を否定した。
 独財務省は債券スプレッドを目安とするECBの計画は認識していないと述べたほか、
独連銀はECB国債買い入れに対し反対姿勢を再表明した。
 銀行株はこれらECBの国債買い入れをめぐる否定的な報道を受け下げに転じた。

欧州株式市場の下がり方は思ったほどではなかった。国債買い取りと金融緩和は別の話になるのか?

8月21日の主な経済記事

欧州の住宅市場はまだこれから悪化する ヴィーナーベルガーの上半期決算から(Market Hack)
http://markethack.net/archives/51836651.html

オーストリアの煉瓦メーカー、ヴィーナーベルガーが2012年上半期決算を発表しました。決算発表に伴って同社は今年の会社側予想を発表したのですが西欧ならびに中・東欧地域の見通しに関して極めて悲観的な予想が出され、それが市場関係者に注目されました。同社株は今日−6%下げています。今日の発表では西欧市場だけがスローダウンしているのではなく、これまで比較的堅調だったポーランドなどの中欧、東欧市場も悪化が顕著でした。米国では住宅市場に底入れの兆候が見え、これまでの「お荷物」的存在から次第に牽引車の役割に変わってきています。しかし欧州では未だ底入れは当分先だということが今回の同社の決算で明らかになった次第。

ユーロ圏周辺国国債利回り低下、ECB買い入れ期待で(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTJE87K01L20120821

21日のユーロ圏金融・債券市場では、スペインなどのユーロ圏周辺国の国債利回りが低下した。欧州中央銀行(ECB)が債務危機に見舞われた国の国債を買い入れるとの観測から、周辺国国債利回りは今後も低下し続けると見られている。ECBの国債買い入れ策の詳細は明らかになっていないものの、19日付の独シュピーゲル誌が、独連邦債に対するプレミアムが一定水準を越えた場合ECBは債務危機に陥ったユーロ圏諸国の国債買い入れを実施するとの記事を掲載したことで、ECBによる買い入れに対する期待が高まった。9月は市場の方向性を決定する重要なイベントが目白押しとなっている。6日にECB理事会、12日に独憲法裁判所による欧州安定メカニズム(ESM)と新財政協定に関する判決、14─15日に欧州財務相会合が予定されている。

ドイツ連銀、ECBの国債買い入れに反対強調(WSJ)
http://jp.wsj.com/Economy/Global-Economy/node_497663?mod=WSJWhatsNews

ドイツ連邦銀行中央銀行)は20日、「ソルベンシー(支払い能力)リスク」をユーロ圏全体で共有する動きは欧州中央銀行(ECB)でなく各国政府が決断する必要があると警告を発し、ECBによる追加国債買い入れへの反対を一段と強めた。今回、「ソルベンシーリスク」に触れたことでその語調は強まり、ECBがユーロ圏加盟国の周辺に防火壁を設けようと努めるなかでも、一部の国がデフォルト(債務不履行)に陥る可能性を提起した。

ECBが国債を直接購入するかどうかはまだまだ分からない。

中国は危険領域に入りつつある=バブル崩壊の可能性で日銀副総裁(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPTYE87K04L20120821

西村副総裁は、中国の急激な住宅価格上昇を踏まえ、少子高齢化などの人口動態の変化と「不動産バブル、住宅ローン急増が一致すると、金融危機が発生しやすくなる」と指摘。「中国は『危険領域』に入りつつある」と警鐘を鳴らした。少子高齢化が急速に進む社会では「伝統的な政策手段の有効性が損なわれる」とも指摘。悪性のバブルが崩壊する過程で何が適切な政策かは「ほとんどわからない」と述べ、政策担当者にとって喫緊の課題だと強調した。

EUと中国経済の見通しが下がり、今度は米国が世界経済を支える流れになるのかな?

今週の株の見通し(8月20〜24日)

FRBタカ派、追加量的緩和に反論(WSJ)
http://jp.wsj.com/US/Economy/node_496236?mod=WSJFeaturesAuto

カンザスシティー連銀総裁、追加刺激策に慎重姿勢示す(WSJ)
http://jp.wsj.com/US/Economy/node_496069?mod=WSJFeaturesAuto

QE3の期待感がここらで頭打ちのような気がする。米株価も6週連続で上昇しているので、米株価は今がピークだと思われる。来週は下がると見た。

【今週の米株見通し】欧州情勢が重しに、新規材料乏しく(WSJ)
http://jp.wsj.com/Finance-Markets/Stock-Markets/node_496890?mod=WSJWhatsNews

米国株式市場では先週、ダウ工業株30種平均とS&P500種指数がそろって6週連続で上昇した。今週は新規材料が乏しい上、欧州情勢の不透明感も手伝って、株価の上昇にブレーキがかかりそうだ。
ギリシャのサマラス首相は今週、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長、ドイツのメルケル首相、フランスのオランド大統領と相次いで会談する予定。報道によると、サマラス首相は緊縮策の実施期間を合意していた2年間から4年間に延長する案をメルケル首相に打診する。
米国内では今週、投資家が追加的緩和に対するFRBのスタンスを読み取ろうと、FOMCの議事録と格闘することになりそうだ。
リッジワース・インベストメンツのゲイル氏は「今週発表の住宅関連の統計からは住宅部門が急激な落ち込みから継続的に回復している様子がうかがえるだろう。耐久財受注の統計を見れば製造業に対する需要の現状を判断できる」と述べた。 

欧州の株も、緩和期待による上昇はここまでではないか。日本も欧米につられて下がると思う。