9月11日の気になる経済記事

大統領選の結果を左右する米国景気の行方、政治で経済の足を引っ張る日本(小宮一慶)
http://bizacademy.nikkei.co.jp/seminar/marketing/suisui_keizai/article.aspx?id=MMACl6000006092012&page=1

米国で起こった干ばつの影響で、穀物価格が上がり始めていることです。そのため、今後は食用肉や乳製品などの値段も上がるだろうと予想されています。

 食料品価格が上がると、米国内でもQE3に対する反発が強まるでしょう。さらに米国では、原油価格の上昇に伴ってガソリン価格も上がり始めているのです。ですから、物価という点でも判断が非常に難しいところだと思います。

 次に、消費の指標を見てみましょう。2012年7月の「個人消費」は前年比プラス3.3%と悪化し、依然として弱い状況が続いています。しかし、同年同月の「販売自動車」は1404万台、8月は1452万台と好調で、「住宅着工」は74万6千戸と絶対数は低いものの底堅さが見えてきており、耐久消費財は比較的安心できる数字が出ています。特に住宅は、価格の面でも、少し底堅くなってきました。このように、消費はいい数字と悪い数字が入り混じる微妙な状況と言えます。

製造業の購買担当者に対して景況感を調査した「米ISM景気指数」を見ますと、2012年7月は49.8、8月は49.6と3カ月連続で50を切っている状態です。この指標は先行指数ですので、今後、この数字の動きのように景気が失速してくる可能性があります。一方、株価を見ますと、2012年8月のNYダウは1万3090ドルと若干回復してきています。

 以上、物価、消費、景況感、株価等の主要な指標を見ますと、米国景気は底堅いという意見もありますが、結局は微妙なところにいるのです。GDPも伸び率が鈍化し続けていますから、必ずしも堅調とは言えません。