問題の大きさを数値でとらえることの重要さ

日経BP小宮一慶さんの「3つの数字から「景気」の落ち込みを探る」を読んでみて、改めて今回の景気後退の深刻さを理解した。http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090205/129990/?P=1


「製品在庫率指数」とか「稼働率指数」などの用語は、今まで新聞なんかででてきても、私は経済学部出身はないので、分ったふりして、曖昧な意味のまま読んでいたが、こうやって改めて説明されて、数値を並べられると、すごいインパクを与えてくれる。


在庫は8月から積み上がりはじめ、稼働率は10月から下がり始めている。それまでは順調だった。一気に景気が悪化したことが読み取れる。


前半良くも今年度の輸出企業の決算予想はどこも赤字なのだから、通年で売り上げの大幅な低下が予想される来年度はどうなるのだろうか?

愛知県に拠点を置く共立総合研究所の主席研究員、江口忍氏による試算は衝撃だ。
「もし、このままトヨタの減産が1年続いた場合、愛知県の実質成長率はマイナス20%、県内総生産36兆5000億円のうち、7兆3000億円が吹き飛ぶ計算です。県内の失業者数は最大50万人に達する可能性もある。かつて世界恐慌で米経済が最も悪化した1932年でさえ、米国の実質成長率はマイナス13%。当時より過酷な不況が愛知に襲いかかるのです」

こうやって数値で示されると、事の重大性がよく分る。なんでもイメージで物事を捕らえずに、数値で捉えることの重要性を再確認した。


私は大幅な赤字覚悟で昨年末に株を手放したので、気分的にはそれほどでもないが、うちの両親は損切りが出きずに抱え込んだままである。


そして上記の話をしてもピンと来ないようだ。


つくづく金融リテラシーは若い内から身に付けておくべきだと思う。これからの時代、仕事だけ一生懸命しても必ずしも報われるとは限らない。老後のために一生懸命貯金しても、日本の金利じゃぜんぜん増えない。


金利をバカにしてはいけない。年利約7.7%あれば10年で元本が倍になる。そして普通預金でそれらの高金利を提示している国はいくらでもある(景気が正常なときでは)。


リスクを負ってそれらの国の外貨預金をした人と、国内の定期預金だけで頑張っている人では、受け取れる利子の違いがとても大きい。


しかしリスクをコントロールできるようになるためには、一生懸命勉強しなければならないし、今回のような危機も経験しないと、投資の怖さが分らない。


つまり、年取ってからやり始めても遅いのである。


それに投資をすれば経済に興味を持つようになり、経済に興味を持ては、政治にも興味を持つようになる。


多くの人が政治に興味を持って投票に行けば、政治は変わると思う。投票率が上がれば組織票よりも浮動票の方が影響力が大きくなる。そうなれば国民のための政治が行われる。


そしてなによりも「円天」みたいな通貨を信じることもなくなるだろう。