藤巻健史の「金融情報」はこう読め!

藤巻健史の「金融情報」はこう読め!
この本を今年の3月に読んでいれば、今頃投資金額を倍に増やせたと思った。

多くの経済本が今後の世界経済の状況は深刻になると言っていたので、私は今まで株を買わずに様子を見てきた。しかしあれよあれよという間に株価が上昇してきた。

藤巻さんはアメリカの金融システムが回復すれば、株価が上がり、世界経済は回復すると言っており、今回の危機はそれほど大げさな物ではないとしている。

アメリカは順調に行き詰まった銀行を破綻させ(アメリカは今年に入って100行の銀行が破綻した)、金融システムの回復を急いでいる。日本みたいに郵貯を再び国有化して、時代の流れに逆行しているのと大違いだ。

そして金融システムが回復したかどうかは、経済評論家の意見よりもシティバンクバンクオブアメリカの株価で判断せよ、と言っている。

藤巻さんは市場価格主義者だ。そして市場がより適正な価格を示すためには、多くの人が市場に参加すること(市場の厚みを持たせる)だとしている。そのためには空売り先物取引などが重要で、これらに規制をする必要はないとしている。

私も堺屋太一、ジム・ロジャースや藤巻さんの本を読んで、このことは理解できるようになった。経済を発展させるには自由化が一番である。そして経済が発展すれば貧困は減る。大前研一のブログ
http://www.ohmae.biz/koblog/viewpoint/1415.php)で書かれていたが、日本は95年以降GDPが増えていない(ドル換算で)。日本の貧困率の上昇とGDPが増えてないことが大いに相関しているのは疑いの余地がないだろう。

この本の主張のメインは、日本の債務残高の上昇に伴い、国債価格の下落がいずれ起きるから、その時を狙え、というものだ。

日本の国の累積債務は今年の6月現在で860兆円。昨年度の税収額が法人税で10兆円、所得税15兆円、消費税10兆円。収入がこれだけしなかいのに83兆円の予算組んだのだから、いつまでたっても借金は増えるばかりだ。

この数字は衝撃的だった。今までは企業から税金取れば、なんとかなるだろうという甘い考えが自分の中にあったが、法人税を倍にしても10兆円しか税収は増えないのである。ホントに借金返そうと思ったら、所得税と消費税をそうとう上げるしか方法はなさそうだ。

消費税なんか今の4倍(20%)くらいにしないと、ラチがあきそうにもない。

今年の3月に2週間フランスに滞在した。フランスの消費税は食料品を除いて20%である。20%はけっこう辛い。パリで走っている自家用車の多くがOPELの小型車で、しかもボロボロのが多い。意外とプジョーがあんまり走っていない。日本もいずれそうなるのだろうか・・・

いずれにしても日本の借金は当分増え続けるだろう。そうなると日本国債の人気は落ち、債権下落に伴う悪い金利上昇が起きる。日本の国家予算は利払いに追われ、福祉が貧弱に・・・・


国債の下落で儲けるには、債券先物にチャレンジするしかない。自分としては、期限が設定された投資はやりたくないのだが、この本を読むとチャレンジせざるおえないのかなーと思ってしまった。

自分の生活を守るために。