「凄い時代」の続き

この本を読んで、商品先物取引についての自分の考えが変わった。
今まで商品先物取引だけは、人間の生活にもろ関わることなので、規制した方がよいと思っていた。投機による価格暴騰で食えなくなる人が出るのは、どう考えても間違っている。

しかし堺屋さんの本によると、先物取引が存在することで作物の生産者が計画的に資金調達や設備投資ができて(作付け前から売買契約が結ばれているので、利益が確定している)生産性の向上に繋がるらしい。だからいずれ生産量が増えて価格は元に戻る。これは社会の進歩を促す大事な事だ。

ちょうど昨日「大投資家ジム・ロジャーズ世界を行く」という本を読んでその時代のソ連をバイクで横断したときのことが書いてあった。社会主義国だったかつてのソ連は石油や小麦などの価格を一定に保った。そしてどういう事が起きたか?

価格が安いので生産意欲が湧かず、品不足に陥った。パンなどは例外的に豊富にあって、すごく安く手に入ったらしく、地元の人は豚の餌なんかにもしていたそうだ。だが石油は世界最大級の埋蔵量があるにも関わらず、産油設備の老朽化が激しく、産油量が伸びなかったらしい。金やレアメタルなど豊富な資源を持っていた大国ソ連の人々が、かなり貧しい生活を強いられたのだから、価格を統制するのは非常に恐ろしいことである。

現在原油価格が再び上昇してきている。給料が減っている中でガソリン価格が値上がりするのはとても痛いが、いずれ石油は無くなるのである。これを機会に次世代エネルギーの開発が促進されれば、人類にとっては大きなプラスになるのだろう。しかも石油は今まで多くの戦争をも引き起こしてきた。石油の重要性が薄まれば、世界がより平和になるのかもしれない。