労働市場にも市場主義を持ち込んだ方がいいんじゃない?

私は労働市場にも市場主義を持ち込んだ方がいいと思っている。つまり、正社員の首切りをもっと容易にして、雇用に流動性を持たせた方がいいと思う。別に私が派遣社員だから言うわけではない。私も4月からは正社員として働き始める予定である。

日本社会は「すべり台社会」だと言われている。多くの正社員の人は、現在の職をなくしたら給料がずっと安い職しか就けない。しかも現在は学校を卒業するときに、正社員の職に就けなければ、派遣社員としてずっとやっていくしかない。これは卒業時の経済状況によってその人の人生が決まってしまう恐ろしい世界である。

このような社会で一番とばっちりを受けている、女子の若者の人気職業ランキングに、実力次第で大金が稼げるキャバクラが入るのも納得である。

今の若者には、努力しても無駄だ、という閉塞感がある。別にゆとり教育のおかげで怠け癖がついたわけではない(そういう人も増えているとは思うが、全てではない)。

やはり労働市場にも市場主義をもっと取り入れて、頑張れば報われる社会にすべきではないか? 資源がない日本は、それぞれが知恵を出して頑張るしかないのである。よって日本社会はがんばりが報われる社会にしないと、だれも頑張らなくなってしまう。

ただこれを導入するにあたっては、多くの人が不安を訴えるだろう。理不尽な解雇を言い渡されるかもしれないし、雇用者の力が増して、パワハラ、セクハラが横行するかもしれない。社員同士の競争が激しくなって、ストレスも増えるだろう。

でもこれらも工夫すれば解決できると思う。解雇する基準を明確にし、パワハラ・セクハラ自体をもっと厳罰とするとか。うちの会社はチームプレーを重視するから、解雇はよっぽどのことが無い限りしない、という方針を掲げれば、その企業はあっという間に人気企業に躍り出ることができるだろう。悪質な会社は、ネットでぼろくそに書かれることになるので、そんな企業にはだれも行かなくなる。

いろいろ欠点があるだろうが、いつでも頑張ればやり直しがきく社会というのは、平等な社会と言えるのではないか?

最後にこれを導入すると、多くの人に避けられない大きな試練が訪れる。それは給料が減ると言うことである。日本の正社員の給料は、世界の同程度の能力の人と比較して高いと言われている。労働市場に市場主義を持ち込むと、グローバル化の波を受けて、多くの人が国際水準に落とされるだろう。

また、どうしても労働市場から閉め出されてしまう人達も出てくる。


このことに対する、対処法は次回に続く。