金融大崩壊(アメリカ金融帝国の終焉)②

◆今の経済危機はいつ終演するのか?
(1)まず、住宅価格が下げ止まること。
  実質住宅価格の下げ幅は、08年6月末の段階でピーク時の7.7%しか下げていない。
  →まだまだ下がり続ける(あと3年くらい)
  もし住宅価格が40%も下落したら、最終的な損失は2兆ドルを超え、米国の全銀行の株主資本を  大幅に上回る。
(2)そして不良債権の処理が進む
  ちなみに日本の金融危機の時は、不良資産が6〜9割進んだ段階が最も厳しい時期だった。
(3)米国国民の消費が増える
  かつてのような消費の盛り上がりは困難。バブル時に5年分の消費を先取りしている。
(4)世界の消費動向
  ヨーロッパなど米国以外の国の住宅バブルのほうが、米国よりもすごかったという事実
  →バブルが萎むときの影響力が米国よりも大きい

◆「米国金融帝国」終焉後の世界
・ドル基軸通貨体制の終わり
 アメリカ国債の増発により、強いドルの時代は終わる。
 09年度(08年10月〜09年09月)の財政赤字は、1兆ドルを超える可能性がある。
 外国人が過去にアメリカ国債を買ったピーク時の2倍以上の3500億ドルを買う必要がある。
 →国債を発行するたびにドルが下がる可能性がある→本当に各国はドルを買い支えることが出来る のか?
・今回の金融危機で、資本はそれほど痛んでいない
 20兆ドルほど痛んだが、95年から現在までに増えた金融資産が100兆ドル世界に残っている。
 このお金はどこに向かうのか?
・金融投資から実物投資へとシフトする。


(感想)
 まず今回の金融危機による不景気はしばらく続きそうだ。とりあえず注目すべき事は、アメリカの住宅価格がどこまで下がるのか?だろう。住宅価格が下げ止まらないと、不良債権の規模が計算できない。不良債権の規模が分からないと、銀行が積極的な融資に応じることができない。銀行がお金を貸してくれないと、経済が活性化しない。つまり、住宅価格が下げ止まらないと、次に進まないということだ。
 
 また、アメリカ以外の国の住宅バブルの方がすごかった、というのは驚きだ。これはつまり世界的な不況に陥ったということだ。これではトヨタソニーも慌てるはずだ。

 もう一つ注意しないといけないのは、ドルがどこまで安くなるのか?とうことだ。金利が下がって80円台に突入したが、米国の財政赤字が拡大すると、一段とドル安が進む可能性が十分ある。財政赤字が1兆ドルを越えたら、3500億ドルくらいは他国に頼らざる終えないとのこと。自国内の対応で精一杯なのに、他国の国債を購入する余裕のある国は限られているので、未達になる可能性が十分ある。70円台突入の可能性あり、という話もちらほら出ているが、あながち嘘ではないかも?

米国のETFの購入を検討していたが、しばらく様子を見ることにした。