クビになった

昨日で派遣の仕事が終了となってしまった。わずか15日の勤務だった。原因は認証試験というものに合格できなかったからだ。

製薬会社の分析業務を行うには、認証試験というものに受からなければならない。試験内容は薬剤を数十mg(1gの100分の1)計り取り、それをピペットなどの実験器具を用いて何回か希釈して、高速液体クロマトグラフィーという1000万円位する器械で測定する。それを5回行って、その測定値のばらつきがプラスマイナス2%以内に収まっていなければならない。

何回もチャレンジしたが、どうしても一つだけ範囲内に収まらなかったりして、合格できなかった。

私は実家に寄生しているから、クビになってもそれほど深刻な問題ではないが、もし実家が無かったらと思うとぞっとする。

今世間では派遣労働者の契約打ち切りのニュースが話題となっている。いかにも契約を打ち切った会社が悪者になっているが、大前研一に言わせると、あまり会社を叩いても我々にはいいことがないらしい。http://www.ohmae.biz/koblog/viewpoint/1215.php

今、コールセンターなどを中国の会社にアウトソーシングしたりする企業が増えている。日本語を必要とする仕事でも海外にアウトソーシングされるのである。

そして最近その動きが活発になっているらしい。それは日本で派遣などを雇ってコールセンターなどを開設して、もし景気悪化で閉鎖することになったときに、派遣切りでマスコミに叩かれたらイメージダウンにつながるので、いっそう海外で自由にやった方がいいということになってしまっているらしい。これではますます国内に仕事が無くなってしまう。

今週の日経ビジネスに書かれていたが、世界では法人税を下げて企業の税負担を軽くして、国内に留めようとする動きが活発になっていて、この流れに乗っていないのは日本ぐらいだそうだ。

日本の社会保障は企業にも負担させることで成り立っているので、非正規雇用者は社会のセーフネットが正社員に比べて貧弱になってしまっている。かといって、企業に派遣社員社会保障まで面倒を見させると、負担を嫌って、仕事が海外に取られてしまう。

そうなると政府が何とかするしかない。日本の社会保障は今の時代に合っていない事は、前々から言われている。抜本的な改革が必要なのにそれが進まないのは、改革には消費税のアップなど国民の負担増が避けられないからである。

でも日本でみんなが安心して暮らしていくためには避けられない道でもある。我々も目先のことに囚われてないで、長期的な視点を持つことも必要だが、一番我々が必要としているのは、この人が言うなら仕方がないと思える政党であり、首相である。

はやく日本にもそのような人が首相になってもらいたい。ただし小沢さんが首相になってもあまり変わらないと思うので、オバマさんのような人が彗星のように現れることを望む。