人間この信じやすきもの7

人付き合いの方法への誤信

セルフ・ハンディキャッピング
自分にとって不利な点を示すことによって、自分の能力の評価を良くしようとする行為のこと。たとえ自分が失敗しても、そんな厳しい状況では、誰だって失敗しただろうと思わせ、反対に成功したら、そんな厳しい条件でも成功できたということで、聞き手に自分の能力を高く見せる。しかし、聞き手には自分の意図が伝わっていないことが多い。

(1)真のセルフ・ハンディキャッピング
自分の行為の邪魔になるような障害を、他人の目に見えるような形で、実際に示して見せ、失敗したときの言い訳にする。

(2)見せかけのセルフ・ハンディキャッピング
成功することが困難な状況であることを単に言うだけ。つまりうまく行かないことの言い訳を言うだけのこと。

◆効果がないにもかかわらず、なぜ人々はこうした策略を使い続けるのだろうか?
それは他人から得られるフィードバックが歪んだものであるから。聞き手は普通、心の中で反感を示すだけで、表に出さない。

もう一つは、自分自身が正しいことをしていると思い込んでいるので、そのやり方をし続ける。そして別の方法が用いられたらどうなったかを知ることがないため、自分が用いてきた方法の真の有効性を評価することはできない。

また、人々が手にした情報を評価する方法にも問題があり、成功は自分が用いたやり方の正しさを確認することになるのに対し、失敗はたまたま失敗だっただけで、やり方の間違いとは見なされないため。

(ここまでの感想)
よく言い訳をする人がいるが、なぜその人が言い訳を言い続けるのかがこの章には書かれている。言い訳をよく言う人も、他人が言い訳を言っているのを聞くと「言い訳言ってるんじゃねえよ!」と心の中で思うはずだが、自分がそう思われていることに気付かないのはなぜか

それはメタ認知力が無いからである。つまり自分を客観的に見れない。そして自分が正しいことをしていると思い込んでいる行為に対しては、相手の反応をよく見ていないことが多い。

私の私見では、道路族の議員はこのタイプが多いと思っている。さんざんマスコミに無駄遣いだと叩かれても、まだまだ日本には道路建設が必要だ、と堂々と言うのだから、相当自分を客観的に見れていない。もしくは、自分の後援者のために、恥を承知で述べているかのどちらかだ。

私も仕事の関係で、鹿児島の田舎で2年間生活したから、地方に仕事が少ないことをじかに見てきた。だから、地方出身の議員が地元に仕事をもたらそうとして、費用対効果が少なくても道路を造ろうとする気持ちも分かる。

しかし、いくら魚を与えたところで、魚の釣り方を教えなければ、地方の人達はいつまでたっても自立できない。だから、道路建設に何兆円ものお金を使うぐらいなら、そのお金で各地域に優秀な観光コンサルタントとか農業コンサルタントを雇わせ、どうしたら自分たちの地域が自立してやっていけるのかを真剣に考えてもらったほうが、地元の人も喜ぶのではないだろうか?