人間この信じやすきもの 6

みんな賛成してくれている?(過大視されやすい社会的承認)

他人の意見を自分自身の行動の指針としたり、自分自身の信念の妥当性の確証としたりするための情報源として活用する能力には、本質的な問題点が内在している。


総意誤認効果
ある種の信念や価値観、習慣がどの程度人々に共有されているかを推定する際に、そうした信念を自分自身が持っていると、そうした推定が過大になりがちになる傾向のこと。

原因は
・自分の判断が正しいという評価を維持したいという欲求。
・取り入れる情報の偏り
・同じような考えを持つ人と、交わることが多い
・あるきっかけにより、ある信念を持った人は、他人も同じようなきっかけに会ったときに、同じ信念を持つと考えがち。そのきっかけをどうとらえるかは、人によって異なる。

他人からの不適切なフィードバック
人は、他人の考えを表立ってとがめられることをしたがらないため、自分の信念に対する反対意見を聞く機会が少ない。

(ここまでの感想)
この本を読んでいると、全ての項目に自分が当てはまるので、耳が痛い。今までいろんな自己啓発やビジネスの本を読んできたが、この本が一番反省させられる。

どう反省したかというと、今までの自分は考えがは浅はかだった。本を読むことはいいことだが、本ばかり読んでいると、内容をそのまま鵜呑みしがちなので、考えるということをあまりしない。

学校や会社でも、周りや先輩のやっていることを真似していけば、それなりにやっていけるので、考えるということをあまり必要としない。

しかし、株式投資みたいな不確実性のものに対して、自分一人の考えで行っていると、考える力が弱いということは、致命的だ。

一応新聞や雑誌を見て、アナリストや専門家の意見を参考にして売買しているが、この本を読んでひとつ反省したことは、専門家の意見を参考にしつつも、いったん自分の仮説を持ったら、その仮説に従って、投資に回せるお金をいっぺんに使ってしまっていたことである。

今回も今年の1月から3月にかけて、サブプライムローン問題もそろそろ底だろうと思って、東レの株を買い占めてしまった。もっと自分の仮説に対して、慎重に検証していたら、投資金額を半分ぐらいにしただろう。

この本は、言われてみれば、もっともなことが書かれているが、人間はもっともなことをおろそかにしがちである。この本は、自分の浅はかさを浮き彫りにしてくれたすばらしい本だ。