人間この信じやすきもの 3

思い込みでものごとを見る(曖昧で一貫性のないデータのゆがんだ解釈)


人間は既有の信念に合致する情報は額面通り受け入れられやすく、反対に、信念に反する情報は批判的に吟味されたり、割り引いて扱われたりする。よって一度持たれた信念は、新たな情報が提供されても、簡単には影響されない。


期待や先入観の影響の現れ方
●曖昧な情報の場合
 その情報は、先入観に左右され、歪められる可能性がある。
●曖昧でない情報の場合
 期待にあった情報→即座に受け入れられる
 期待に反する情報→厳密に吟味され、考慮に値しないと軽くみたりして、自分の信念を変えようとしない。

玉虫色の解釈と玉虫色の期待
 例えば本日の占いで、「今日は今までの努力が結果に現れそう。周囲からも認められ信頼度UP」となっていたとする。誰かに認められたり、褒められたりすることは、些細な事も含めると日常的にあるものである(今日の弁当のおかず美味しそうだね、とか)。こういうあらゆるものに、あてはめることができることを、玉虫色の解釈という。

記憶と情報の一貫性
●一面性の出来事
 ある一面が生じた場合だけ、注目され印象に残るような出来事のこと。例えば「風呂にはいっているとよく電話がかかってくる」というのは、風呂に入っているときに電話が鳴ると、わざわざ風呂から出て、電話にでなければならないので、記憶に残りやすい。

●二面性のできごと
 勝ち負けや成功失敗のように、二つの面を持ち、どちらが起こってもひとつの出来事として記憶にのこりやすいできごとのこと。これは、期待はずれの結果になった方が記憶に残りやすい。

●合致情報と非合致情報
 ある信念や仮説を持っているときに、それに合う情報の方が記憶に残りやすい。

●焦点づけられているか、いないか
 例えば、賭けていた馬が勝ったときのほうが、負けたときよりも覚えている、ということ。文章でも、最初に結論が書かれているものは、理解しやすいが、最後に書かれているものは、理解しづらい。

結果の非対称性と一面性のできごと
●快不快の非対称性
 起こりうる結果が、同程度の強さの感情を引き起こすものは二面性のできごと。
 起こりうる結果が、片方だけ強い感情を引き起こすものは一面性のできごと。
 よく問題になるのは、一面性のできごと。「洗車をするとすぐ雨が降る」「逆方向の方がバスがよく来る」「風呂に入っている時によく電話がかかってくる」など。

●パターンの非対称性(数字や時間、空間的パターンが作る非対称性)
 例えば、デジタル時計を見るといつも3:33とか5:55だ、と思うときは、3:46を見たことを忘れている。記憶に残りやすい数字の並びのほうが、記憶に残りやすいため。あとは、変わったばかりの選手の所にボールがよく飛ぶとか、満月の夜に殺人が多いなど。

●定義上の非対称性
 どのような例が反症例であるか分からない場合。例えば、「私はかつらをかぶっている人を見破ることができる」という場合、見破れなかった場合は、見破れなかったということに、気付かない場合もある。

●通常の生起率からの逸脱
 珍しい出来事や予期せぬ出来事は記憶に残りやすい。
「ケチがつく」とはたまたま失敗したのに、新しい人が加わったことが原因だと考えてしまう。
「不実行が事件となる行為」とは、いつも行っている行為は、その行為を行っていることに気付いていないが、それをやらなかったときに初めて意識する行為のこと。

(ここまでの感想)
物事を都合のいいように解釈したり、イメージでとらえたりするのは、考える力が弱っているからだと思う。自分を振り返ると、これらをいちいち考慮していたら頭が疲れてしょうがないので、以上のことは日常的に行なっている。つまり一種の反射行為である。反射行為は頭を使わないので、疲れないが、反射行為ばかりしているとだんだん呆けてきて、頭の回転が鈍っているように感じる。よって、めんどくさがらず、たまにはいつもと違うことをして、いつもと違うことを考えなければならないと思った。