9つの性格

この本はエニアグラムのことを書いており、エニアグラムとは人間の性格は9つに分けられるという、2千年間イスラム社会で用いられていた考え方である。こう書くとうさんくさく思われるかもしれない。しかし、人の性格判断はあらゆるところで行われているが、この本ほど自分の性格をずばり、しかもかなりつっこんで表しているものに出会ったことがなかったので、とても驚いた。ちなみに、米国ではGMやAT&Tなどの会社の人事管理で、この考えが取り入れられている。

9つの性格とは
①完全でありたい人
②人の助けになりたい人
③成功を追い求める人
④特別な存在であろうとする人
⑤知識を得て観察する人
⑥安全を求め慎重に行動する人
⑦楽しさを求め計画する人
⑧強さを求め自己主張する人
⑨調和と平和を願う人

私の性格は⑤だ。⑤の性格の特徴は、孤独を好み本好きで理屈っぽいのだが、驚くのはなぜこういう行動をとるのかという理由が、この本を読んで、人生で初めて納得した。

この本によると私は、「空虚さを避ける囚われ」を持っており、自分の空虚さの原因を、自分の周囲の人間が軽薄なためと考える傾向があるそうだ。そしてその空虚さを埋めるために、偉い人の本を読んで知識を吸収しようとするらしい。この「周囲の人間が軽薄なために」というのが、今まで気付かなかったが、言われた瞬間ハッとした。確かに友達と会話しているときに、途中で急に飽きてしまい、口数が少なくなることがしょっちゅうあって、自分でもいやな性格だと思っていた。

「囚われ」とは、人間の悪い傾向を強める原動力のことで、苦境に立たされたときに顕著になる性質だ。こだわりや恐れ、慢心、拠り所などの言葉で言い換えることができる。ちなみに各性格の囚われは以下になる。
①自分や周囲に憤りを感じる
②他者の愛の必要を認めない
③目標達成しか考えない
④平凡さを避ける
⑤空虚さを避ける
⑥権力への不信感
⑦苦しみを避ける
⑧強さを誇示し、弱さを隠す
⑨葛藤を避ける

本書は私の性格の本質をズバリ表しており、今まで行ってきた性格診断とは一線を画していた。
昨日紹介した「さあ才能に目覚めよう」は自分の強みを知り、それを生かし生きていこう、とうものだが、本書は「囚われ」という自分の欠点を緩和することで、自分の力をもっと出せるというものだ。両者を併用することで、自分の特徴がよく分かる。履歴書も書きやすくなること間違いない。