即戦力の人心術

即戦力の人心術―部下を持つすべての人に役立つ
感想 
軍隊という規則と慣例が大事にされるところで、個々の能力を最大限に発揮することができる、理想的な職場を作り上げたプロセスが書かれている。この本の舞台となっている戦艦は、だれもがこんな職場で働きたいと思うような職場に仕上がっている。
 著者は「リーダーの仕事は部下を育てることである」というポリシーのもと、部下の自発性を促進させ、すばらしい業績を収めることに成功した。また、著者が部下のがんばりが報いられるよう努力しているので、部下からの信頼をがっちり掴むことにも成功している。
 本書から読み取れるこのような職場を作り上げるコツは、部下のことをよく知り、部下を尊重することである。部下の望みを理解し、積極的に意見を聞き、時には難しい仕事にも挑戦させ、個々のパフォーマンスを最大限に引き上げている。リーダーの職にある人は、この本を読んで、リーダーが目指すべきゴールの青写真を得るべきだ、と思った。
(まとめ)
即戦力の人心術
◆部下の自主性を促す
→権限を与える
→果たす目標をはっきり示し、やり方は任せる
→自主性のある部下を求めていると、明確に意思表示する
→もっとよいやり方はないか、と聞いて回る
◆部下の信頼を掴む
→部下の身になって、何が一番大切か考える
→自分のプライドよりも、チームの実績を優先させる
→部下のことをよく知る
→部下の家族も大事にする
→部下を見限らない、というシグナルを送る
→自分たちの提案を大事にしてくれる上司を演じる
◆部下のやる気を出す
→部下の話をよく聞く
→働く動機を見つける
→やる気がわく、未来を提示する
→部下の意見を外部に賢明にアピールする
◆結果を出させる
→求める結果を明確にする
→結果を出すのに必要な、十分な時間と資金や資材を与える
→十分な訓練・準備をさせる
→たとえ失敗しても、冒険する人を称える
→悪い知らせがすぐ伝わるシステムを作る
→いつものやり方を捨てさせる
◆働きやすい環境を作る
→新しい方針を開始するときは、その方針について部下の意見を聞く
→指示を明確にする
→評価を明確にする
→意味のない慣例をなくす
→オープンでフェアな環境を作る
→息抜きさせる
→褒美を与える
→問題はチームで共有する
→活動後報告会を行う(問題点、改善点を洗い出す)
→内部の対立を生じさせない