米経済、金融安定化の次に気をつけること

とりあえず、アメリカ経済は、金融安定化策がまとまりそうで、当面落ち着きを見せるだろう。次に注意しなければならないのは、金融安定に必要な資金を賄えるか?である。

日本のバブル崩壊アメリカとの違いは、国内の貯蓄残高の違いである。日本は、個人の貯蓄が膨大にあったし、国内の製造業の国際競争力も高かったので、なんとか自国で不良債権の処理をすることができた。しかし、アメリカは個人の貯蓄がほとんどないし、製造業も弱いので、他国に頼ることになる。

アメリカ政府は、金融安定化に必要な資金は7,000億ドルとしているが、それ以上になるのは必至みたいだ。1兆5,000億ドルになるとの意見もある。それに加えて、国内の景気対策費、社会保障費の増大等お金はいくらでもいる。

アメリカ国債を発行して賄うのだろうが、計画通りに資金調達できるのか?が、次の注意しなければいけないポイントだ。

世界各国はアメリカとドルが崩壊すると、自分の国も危なくなるので、みんなで買い支えることになると思われている。「10月8日の米欧中央銀行6行が緊急の協調利下げ」みたいに、これからも世界が協力してアメリカを助けていくのだろう。

ひょっとしたら円高にしてアメリカの貿易赤字を減少させる手段もとられるかもしれない。日本の輸出企業の利益が低下して、日本経済にはマイナスに働くが、致し方ないと思われる。

なんせドルが崩落してアメリカが崩壊したら、日本も致命的ダメージを受ける。注意して見守っていこう。
日経ビジネス2008.10.20号を参考に作成)

今後モニターすべき具体的なポイント
不良債権処理に必要な額がいかほどになるのか?
・不動産以外の不良債権の額は?政府が救済する必要がてくるのか?
基軸通貨としてのドルの信頼が保たれるか?(原油などの価格表示がドルからユーロになったりしないか?)
アメリカ経済の失速度合い
・ユーロの人気が上がらないか?(インフレを恐れて、欧州だけ金利を上げたりしないか?)
選挙対策国民感情に流されないで、最善の経済対策をとり続けられるか?

今日の賢く生きるための教訓
リスクを分析し、見極めよう