中国旅行記7 6日目「蘇州2」

2009年12月28日(月) 晴れ(暖かい)         1元=約14円

昨日早く寝たので、まだ暗いうちに目が覚めた。ベットで外が明るくなるまでゴロゴロした。まだみんなが寝てる間にさっさと着替え、顔を洗ってから散歩に出かけた。

今日は暖かくていい天気だ。ユースの前の通り(平江路)はすでにたくさんの人が行き来していた。とりあえずユースの前の運河に沿って北上し、途中で別の運河に沿って東に向かった。ユースの前の運河は観光地化されていて、しゃれた店がちらほらあるが、一歩曲がると昔ながらの町並みが広がっている。

ここでも昔の家はトイレがないのだろう。おばあちゃんが黄色い液体が入ったし尿ビンを手に持ち、家から出てきた。そしてジャーと中身を家の前の運河に捨てていた。

しばらく歩いていると昔の門があったのでくぐってみるとおばちゃんがいて、「ちょっと待て」と呼び止められた。ここから先はどうやら耦園という庭園らしい。せっかくなので15元払って中に入った。何気にここも世界文化遺産に登録されている。ここも世界遺産なら岩手の平泉の中尊寺も充分世界文化遺産に該当すると思うのだが・・・ 

2つの庭に別れており、まあまあ立派な庭園だ。早朝で人が少ないのでゆっくりと庭を楽しんだ。建物の木製の扉の彫刻がすばらしかった。

庭園を東に抜けて、近くを流れている大きな川を眺めに行きたかったが、出口で呼び止められ通してくれない。多分ここから先は蘇州動物園で別料金がいるのだろうか?そんなことを考えながらもと来た道を引き返し、朝飯を食べに観前街へ向かった。

いろいろ歩き回ったがよさそうな店が見つからない。裏通りにある「真味」というチェーン店風の店に入った。あまり客がいないので、正直期待はしてなかった。入ってすぐのレジに若い女の子がいた。店先の写真を指さし、得意の「これ下さい」で「岐山@子面」を頼んだ(9元)。

赤色のスープがどんぶりいっぱいに入ったうどんが運ばれてきた。汁がこぼれるのでトレーに乗せたままテーブルに置いて欲しいのだが、中国ではわざわざトレーからテーブルの上にどんぶりをおろしてくれる。

うどんは平打ちの細めんだ。このスープの辛さがほどよくて、またこのうどんとよく合いとても美味しい。夢中になって食べた。食べ終わってから、冷静になって机の上を見ると、赤い汁が飛び散っていた。中国人はテーブルの上に肉の骨とかをどんどん置いて、テーブルをべたべたにして食事をするが、私はどうしてもそれが馴染めなくて、中国では必需品のウエットティシュでまず自分の口を拭いた後、それで机を拭いた。

手持ちの元が少なくなってきたので、両替するため中国銀行に入った。まだ開店直後なのでとてもすいていた。1万にするか2万するかとても悩んだが、この後上海に行くこと、そして正月前後の銀行の開店状況が分らなかったので、2万円分両替することにした。

多くの中国の銀行では、ヨーロッパによくある街角の両替屋と違って、レートが掲示板で表示されてない。まあ最初にレートを聞けばいいだけのことだが、それもめんどくさいので(ただ小心なだけ)、「レートが悪かったらどうしよう」とどきどきしながら大枚2枚を差し出した。

ここでは2万が1440元になった。とても安心した。嬉しくなって笑顔で「謝謝」と言ったら、銀行のお姉さんも笑顔で「ブークーチ(どういたしまして)」と返してくれた。

銀行のロビーの隅で腰に巻いてあるシークレットウォレットと首からぶら下げている貴重品袋とコートの内ポケットに念のためお金を分散させた。

銀行を出た後、タクシーを拾って、留園に向かった。蘇州では駅を起点として南北方向のバス路線は分りやすいが、東西路線がわかりづらい。また北京と違って、次止まるバス停名が電光掲示板で表示されないので、何個目のバス停で降りるか数えてなければならない。だから蘇州ではバスがよく分らないときは迷わずタクシーを使った方がよい。

わずかワンメーター(11元)で留園に到着した。そして留園の入園料が30元。日本と価格が逆でタクシーの方が安い。

留園もいい庭園だった。風景ばかり撮してもつまらないので、途中で日本人の中年カップルに頼んで自分の写真をとってもらった。

留園を出て、東に向かって歩いた。途中細い路地を通る。よく見ると中国の昔の家は通りに玄関が面していることが少ないように思う。路地からは家の中がうかがえない。

商店街に出た。八百屋で売られている白菜やほうれん草は新鮮そうでとても美味しそうだった。魚屋ではたらいに鯉やフナ、雷魚みたいな縞の魚が生きたまま入れられていた。

中国で困るのは歩き疲れた時に休む場所が少ないことだ。こちらでは喫茶店が一般的でなく、価格もラーメンの値段よりもお茶の値段の方が高かったりするので、せっかく喫茶店があっても入るのに躊躇してしまう(別に日本に比べたら安いのだが、根が貧乏性のため)。

そのまま近くのバス停からバスに乗り、蘇州駅に電車の時刻を調べるために向かった。駅で上海へ向かう列車の本数がたくさんあることを確認し、とりあえず宿に戻るため再びバス停に向かったら、はじめて中国でしつこい客引きに捕まってしまった。タクシーの運ちゃんだ。10分ぐらい付きまとわれた。

バスに乗ってしばらくしたら、渋滞でいっこうに前に進まなくなった。前を見ると一方通行の道を車やバスが逆走してきている。なんでそうなったのか理由は分らない。しびれを切らしたバスの運転手が歩道にバスを乗り上げ、無理矢理前に進み、なんなく渋滞箇所を通過させた。お見事!

再び観前街に向かい、地球の歩き方にのっていたワンタンが美味しいという店でワンタンと小籠包を食べた。味はたいしたことなかった。

帰り道、人だかりができている量り売りのお菓子屋があった。バナナ味の丸いドーナッツみたいなものを売っている。私も並んで買ってみた。500克(g)で12元と書いてあった。12元だして500克を指さして注文した。店員さんが手で「こんなに多いよ」というジェスチャーをしたが、その時は値段が12元だから量はそれほどでもないだろうと思い、「OK!OK!」と適当に返事した。

そしたらLサイズのスーパーの袋にそのお菓子を半分くらい入れて、私にくれた。結局食べきるまで4日間かかった。味は美味しかった。

自分の部屋に戻ったら私以外の人達はすべて宿を引き払っていた。せっかく一緒になった日本人ともたいした会話をすることなく、別れてしまった。

部屋で昼寝をして、起きたら新しい客が部屋に来た。お互い簡単に挨拶した。その髪を金髪に染めた青年はシンガポールから来たと言った。まず上海から中国には行って、この後北京へ向かうらしい。私と逆ルートだ。この青年は荷物を置いてさっそく外へ出て行った。

夕方散歩に出かけた。近くの小学校の下校時間にぶち当たった。親たちが大勢迎えに来ている。小学4年生ぐらいの子でも迎えに来てもらっている。みんな自転車やバイクの荷台に親が持ってきたおやつを食べながら乗っている。中国の親たちは意外に子どもには甘いのかも、と思った。

昨日言った「朱鴻興」へ再び行き、今度はしっかりメモに書いて「五香牛肉面」を頼んだ(18元)。ラーメンの具は甘辛ダレで炒めた固い牛肉のみで、「今回ははずしたな」と思った。

日中は暖かかったが、夜になると冷え込んできたが、人通りはあいかわらず多い。よくみると若い人達はジュースを飲みながら歩いている。ジューススタンドはあちこちにあるのだが、CoCoというチェーン店によく行列ができている。

私も並んで買ってみた。「仙草冬瓜露」の中杯を注文した(7元)。なんか薬草味のするゼリーが入った甘ったるい紅茶色のあたたかいジュースを手渡された。正直言ってあまり美味しくない。しかし、飲んでいるうちにからだがぽかぽか暖まってきた。仙草の効果だろうか?そういえば香港の「糖朝」でも同じようなゼリーを食べたなと、食べながら思い出した。きっと中国では一般的なゼリーなんだろう。

宿に帰ってシャワーを浴びた。しばらくすると例のシンガポール人が帰ってきた。「寒い、寒い」と言っていたので、「北京はここよりもずっとずっとずっと寒かったよ」とveryを3つも付けて言ったら、「Oh−」と苦笑いをしていた。

その青年はシャワーも浴びずにすぐベットに潜り込んだ。しばらく鼻をすする音が続いた。ときどきくしゃみをするが、周りに気を使って大きな音が出ないように我慢していた。髪は金髪に染めているが、根はいい青年なのかもしれない。

この青年、英語も達者だし、中国語もしゃべれるみたいだ。同室の中国人とも会話をしていた。華僑の人だろうか? シンガポールが一人あたりのGDPで日本を抜くのもうなずける。

しばらく本を読んでから寝た。