中国旅行記3 2日目「故宮」

2009年12月24日(木)(中国滞在2日目)くもり         1元=約14円

朝7時頃目が覚める。同室の女の子が目を覚まさないように、静かに着替えて散歩にでた。通りはスクーターや自転車が溢れていた。向こうのスクーターはほとんどがモーター式なので音がしないのでけっこう危ない。道路での優先順位は車>バイク、自転車>人という順位なので、中国では周りをよく見て歩かなければならない。青で横断歩道を渡っていても、左折・右折の車や信号無視のバイクや自転車が突っ込んでくるので、注意が必要だ。

朝は通りに蒸し器を出して、よく肉まんを売っている。一応ユースホステルで無料の朝食が出るのだが、美味しそうだったのでおもわず買った(5元)。味はまあまあ。もうひと工夫がほしいところ。

無料の朝食(食パン3枚、目玉焼きとベーコン)を食べた後、故宮に向かった。

このユースホステルは最寄りの地下鉄の駅まで歩いて20分かかるので、メインの交通手段はバスとなる。北京の中心部は札幌みたいに碁盤の目になっており、だいたい縦横にバス路線が通っている。またバス停には必ず路線番号と停留所名がきちんと書いてあるので、何番のバスに乗ればどこへ行けるのかすぐ分る。北京でのバスの利用はけっこう簡単である(上海ではそうなっていないのでバスに乗るのは難しい)。

バスで地下鉄「王府井」駅まで行って、そこから天安門広場まで歩き、定説通り故宮を南から北へ抜けることにした。

まず毛沢東の写真が掲げてある、あの有名な「天安門」をくぐり、「端門」を過ぎて「午門」に到着。ここでチケット(40元)を買い、中に入る。内金水橋を渡って「大和門」をくぐって、ようやくラストエンペラーで有名な「大和殿」の登場である。とにかく敷地は広いし、何もかもがでかい! 故宮は中国のスケールの大きさを感じるにはもってこいです。そのまま北へどんどん進み、「神武門」より外に出た。とにかくでかくて歩き疲れた。

 (大和殿)
道を挟んで反対側には景山公園がある。この景山という小高い山に登ると故宮が一望できるというので、2元払ってこの公園に入った。とりあえず売店午後ティーのホットを6元で購入し、ベンチで一休み。何組かのおばちゃん達のグループが音楽を鳴らしながら踊りの練習をしている。

景山からの眺めはよい。南を見れば故宮も一望できるし、北を見れば鼓楼という昔の時計台が見える。ここからは見えないが、その向こうにはオリンピックスタジアムがあるはずだ。

 (故宮を望む。広いのとスモッグではっきり見えない)
ここから宿まで歩いて帰った。途中のパン屋で丸いぱさぱさのお菓子(10元)を買い、国味堂というチェーン店でごまのお粥(5元)と豆鼓@魚油(12元)というチンゲンサイと魚の燻製をナンブラーで炒めたものを注文した。豆鼓@魚油はけっこう美味しかった。(@→漢字がでません)

宿にもどると昨日の女の子の荷物はなかったので、もう次の目的地に向かったのだろう。少し残念な気持ちになりながら、すこし昼寝をした。起きてからネットで次の目的地である蘇州へ行く電車を調べた。日本で調べたらD385という北京南駅発蘇州行きの電車があるのだが満席と出ていた。しかしいつの日の電車が満席かが出ていない。よくわからないので、これは現地で聞いてみるしかないと思い、ユースの人に聞いてみた。
返事は「NO tichet」。しかし、旅行代理店に聞いてみればあるかもということで、電話をかけて聞いてくれた。そしたらまだチケットはあった。軟座というシート席と軟臥という寝台の2種類があるとのこと。値段は軟臥のほうが2.5倍くらい高く615元もするのだが、「一晩シートで寝るのは疲れるな」と思い、寝台を取ることにした。手数料で別途25元必要の旨説明を受け、チケットを手配してもらうことにした。

「お金を今払ってくれ」ということなのだが、あいにく元をそんなに持っていない。「今お金をそんなに持っていないから、銀行に行って・・・・」と言おうとしたら、「お金をそんなに持っていない」といった瞬間、向こうが慌てた。ユースに泊まる人間が615元もするチケットを買うのが珍しいことなのだろう。「金ないなら注文するな」と思ったに違いない。私も「中国のお金を今そんなに持っていないから」と言うべきだった。

とりあえず今から銀行に両替しにい行ってくるからと説明し、銀行に向かった。近くの北京銀行へ行った。結構混んでいて、日本と同じように番号札取って40分くらい待った。ようやく私の番が回ってきた。一万円とパスポートを出しながら中国語で「両替して下さい(チン ホアンチェン)」と言いたかったのだけど、間違って「チン ホアンチャイ」と言ってしまったら、向こうはなんかムッとしたような顔をしていた。その担当者は両替に慣れていないみたいで、「ビザは無いのか」とか「ホテルの名前は」とかいろいろ中国語でまくし立てるように聞いてきたが、私はよく分らないので「はぁー」みたいな顔していたら、向こうもイライラしてきたみたいだ。最終的には1万円で728.07元ゲットできた。昨日空港で両替したときは1万円が632元しかならなかったので、大きな違いだ。

ちなみに中国での両替は、ヨーロッパや香港みたいに外貨ショップみたいなのがほとんど無いので、銀行で行うのが基本である。基本的には銀行の入り口には案内係の人がいるので、その人に日本円を見せながら「exchange]と言えばすぐ理解してくれて、しかるべき窓口に案内してくれる。窓口にパスポートと日本円を差し出すと、窓口の担当者が書類を出してくるので、そこに名前とパスポート番号と両替する日本円の金額を書いて渡せば、それで済む。ちなみに「¥」の記号は日本円だけではなく中国の元でも使うので、金額の欄は「10,000円」と書いた方がよい。中国では2週間以内の滞在ならビザもいらないので、ビザが無くても両替できるし、ホテル名も聞かれることはない。北京銀行の担当者が特別不慣れなだけだったのである。

両替に手間取ったため、1時間半後にユースに戻るはめになった。「遅れてごめん。銀行が込んでいて」と言ったら、「そうだろう、そうだろう」とちゃんと理解してくれた。手数料込みで640元払い、もうちいど列車の日にちと番号を確認し、引換書をもらった。チケットは明日の夜までには届くとのことであった。

「ちゃんとチケットは届くのか?」という一抹の不安があったが、ユースの人がきちんと日時と列車番号を確認するし、引換書もきちんとしていたので、「まあ大丈夫だろう」とこの人達を信じることにした。

夕方、晩飯を食べに外に出た。あちこち歩いていたら人がどんどん吸い込まれていく食堂(下記の写真)を発見し、そこに入った。セルフサービスの店で、レジでお金を払ってレシートをもらい、窓口に並んで料理を受け取るシステムであった。レジの奥の壁とカウンターにメニューがあるので、列に並びながらどれを注文するか考え、レジではカウンターのメニューを指さして「これ下さい」と言えば通じるので楽である。

北京名物ジャージャー麺(7元)を注文した。汁なしの麺にきゅうりの細切りと肉味噌をかけたシンプルな料理であるが、けっこう美味しかった。周りの人達は「もつの土手煮」みたいなものを食べている人が多かったので、明日はこれを食べようと思った。

宿に戻ると新たに韓国人女の子二人組が来ていた。一人の女の子が流ちょうな英語で話しかけてきた。「どこから来たの?」「いつ北京へ来たの?」などなど一通りの質問をしたあと、「今晩ささやかなクリスマスパーティーをやるから参加しない」と誘ってくれた。もちろん断る理由はないので「YES」と答えた。

韓国人がケーキを一切れだけ買ってきていたので、それにろうそくを3本立てて、なぜか「ハッピーバスデー」の歌を韓国語と日本語で歌って、私が「フー」と息を吹きかけて、ろうそくの火を消した。たまたま同じ部屋にいたスイス人の青年も「ハッピーバスデー」の歌に参加してくれ、いっしょに歌った。

3人でクリスマスカードの交換をした。クリスマスカードなんて今まで書いたことなかったので、何を書いていいのか分らず、「ユンソナはすばらしいアイススケーターだ」と書いたら、「キムヨナの間違いでしょ」と突っ込まれた。

この子達は高校の時に第二外国語として日本語を選択したそうで、そのことを聞いて私はとても驚いた。韓国では反日感情がけっこう高いと思っていたので、まさか高校で日本語を教えているとは夢にも思っていなかった。

その後2人はネットをしに行き、私はベットにもぐり込み、すぐに眠ってしまった。