NHK「沸騰都市」を見て

今日21時からNHKで放送された「沸騰都市」を見た。今回はシンガポールについてだった。
資源も水も食料もないシンガポールが生き残るためには、人材に頼るしかないということで、世界各地から優秀な人達を好待遇で集めて、今後成長が見込めそうなバイオ、医療分野に集中投資している様を紹介していた。

集められた人達は、豊富な研究資金と最先端の研究室を与えられ、自分の判断で好きなようにできるが、その代わり結果が厳しく問われ、3年間で飛び抜けた成果が出せないと解雇という、厳しい条件で働いていた。しかし、その恵まれた研究環境を求めて、世界中から多くの優秀な研究者が集まってきていた。

テレビを見た感想は、国全体で外資系企業のようなこと(結果がすべて)をやっているという印象を受けた。要はプロ野球やプロサッカーと同じ世界である。

日本もこういうやり方を真似よ、とは言わない。しかし、シンガポールに住んでいる人が羨ましいなと思ったのは、政府が将来を見据えて、しっかりと投資をしていることである。

政府がそうしていてくれれば、今は大変でも国民は、自国で頑張っていれば今より豊かになれるという希望が持てる。

日本の個人消費が伸びない原因はここにあると思う。将来に対して不安があるから財布のひもがゆるまない。そして政府はその不安を取り除こうとしない。だからいつまでたっても内需が伸びない。

政府はもっと国民の将来への不安を解消することも真剣に考えてもらいたい。ただ税金を集めて国民にばらまくだけでなく、みんなが豊かになれるようにするにはどうしたらいいか? その青写真を描いて欲しい、とつくづく思う。

また国民も、自分の置かれている状況だけでなく、日本が置かれている状況もきちんと認識する努力をすべきだと思う。いくら自分だけ努力をしても日本がダメになれば、得られる豊かさは半減する。

政府と国民によるビジョンの共有なくして、日本のずば抜けた力を発揮することはできない。
次はみんなが心躍るようなビジョンを描ける人が首相になってもらいたい。