将来 ゼネラリストを目指す?それともスペシャリスト?

今日図書館に調べ物をしに行ったら、面白い本を見つけた。

     「卵でピカソを買った男 「エッグ・キング」伊勢彦信の成功法則」


富山でヒヨコ販売をしていた会社を世界ナンバーワンの養鶏会社にした男の成功物語である。

会社が大きくなったきっかけは、卵生産の委託事業である。今のコンビニみたいに鶏舎の構造から飼育方法まで統一したマニュアルを作り、養鶏の素人にいきなり全国平均の倍以上の鶏を飼育させ、成功させた。

能登半島の農地に恵まれない、生活に困っていた農家を養鶏に切り替えさせ、農家の平均所得の倍以上の利益を上げさせた。

当然、全国で真似するところが出てくるが、どこもうまく行かない。その違いは卵を買い取るときに、伊勢の会社はいつでも契約どおりの値段で買い取り、他の会社は相場の値段が下がった時は、買い取り値を下げた。

伊勢を信用した農家は、マニュアルをしっかり守り、養鶏事業が順調にいった。その他の所はマニュアルの遵守が少しルーズになった。その結果病気の蔓延などが起きて、事業が傾いた。動物の大量飼育は微妙なバランスの上に成り立っていたのである。

よくキャリアデザインの本に、30代は将来ゼネラリストとして経営陣に加わることを目指すか、特定の分野のスペシャリストを目指すか決める時期とされている。

私のこの本を読んだ後の感想として、経営というのは理屈だけでは通用しない。感覚的な要素もとても重要だと思った。何かで読んだが、世界の有名経営者を調べたら、MBA取得者は半分ぐらいだそうだ。経営は理論と過去の成功事例だけでは、なかなか通用しないと言うことだろう。

スペシャリストのほうが理論と過去の成功事例で、確実にそれなりの高さに上れるような気がする。要は勉強を続けていけば、確実に結果が出やすいということ。結果が厳しく問われる現代社会では、こっちのほうが楽だ。収入は経営陣に比べたらだいぶ少ないけど・・・。